クールな部長は溺愛同居人!?

「だから、嫌なら部屋に閉じこもっても全然いいんですからね。無理しないで……」

「未亜」

「はい」

「逆に俺がみんなと過ごしたら迷惑か?正直に言え」

その時の課長は、入社してから初めて見る不安な顔をしていた。
迷子の仔犬のような
そう、大きな身体でいつも堂々とドSで高笑いしてる人とは180度逆で……寂しそうな不安な目をして私に告げる。

「それはないです。うちの両親なんて大喜びです。テツオも課長に慣れていて」

2回目。
いやもしかしたら
さっきも2回言ったから4回目?

「うちの両親は喜んでます」

「未亜は?」

「私は……」

すんごい迷惑で怖くて家でもドSで、私の弱みを握って遊んで楽しんで、そんな課長なんて早く出て行って欲しいと思ってるけれど……けれど……そんな顔で見られたら……言えないよ。仔犬拾っちゃうタイプだもん。

「……問題ないです」

小声で言うと
課長の目が生き返り笑顔を見せる。

「よかった。迷惑ならどうしようって思ってた。俺は問題ない。普通にご飯食べながら家族でサザエさん観るのが夢だったから」

夢ですか?ハードル低い夢だ。
我が家なら毎週叶いますよ。



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