クールな部長は溺愛同居人!?
「そっ……そんなに仕事に行きたくないんですか?」
このままでは係長に溶けて溺れてしまいそう。
私はふざけた調子でそう言うと
係長は「そーゆー事にしときますか」ってタメ息混じりで言ってから「携帯出して」手を差し出した。
「はい?」
「出して」
上司命令なビジネス口調で言われ
ついカバンから出すと勝手に操作。
グングンと下降する小さな箱の中
ツーショットの流れが早い。
「あの……」
途中で扉が開き
他の人達が乗って来たので私もそのまま突っ込めず、係長は知らん顔で自分のスマホも取り出して何やらまた操作。
「新堂係長~」
私の前に居る女子社員が仔猫みたいな声を出す。
うちのテツオなら一発で落ちるだろう。
「お疲れ様」
顔を上げてニッコリ返事。笑うと人の良いタレ目がちの目が可愛いかった。5歳女子から80歳女子まで落とせそう。
ロビーに到着して
みんなが降りるのを待ってから
素早く扉を閉めてまたエレベーターは上昇。
いや降ります私。
そしてスマホ返して下さい。
「LINE交換しておいた」
さらっと言って
新堂係長は私のコートのポケットにスマホを返し、グイッと腰を抱き寄せ私を見下ろした。