クールな部長は溺愛同居人!?

耳を澄ますと
やっぱりドアをノックする音。

やっと寝れそうなのに。
時計はもう午前1時を軽く回ってる
きっと課長だな。
いや課長しかいないでしょう。

睡眠不足でクマできたら
どーしてくれるんですかっ!

怒りながらドアを開くと

「……寒い……」

唇を紫にして
カタカタ身体を震わせながら、パジャマ姿の課長がそこに立っていた。
髪も乾いてないじゃん。

「布団ある?」

ガクガク動きも鈍い。

「どうしたんです?」

「寒い」

課長は私の身体に抱きついてきた。
パジャマ越しに感じるその身体の冷たさ。

「どうしたんですか?」

驚いて聞くと課長は唇を震わせ「さっき帰って来て風呂に入った」と、一言。

風呂に入った?風呂に入ってどうしてそんなに身体が冷たい?てか給湯器の音が聞こえなかったんだけれど……もしかしてっ!!

「追い炊きとかしなかったんですか?もうお風呂のお湯が冷めて水状態でしょう」

「だって……みんな寝てるから音がうるさいし」

「熱いシャワーは?」

「給湯器の音が響くから」

つまり
熱いお湯を出して給湯器の音が鳴り
皆を起こしたら申し訳ないって思って
追い炊きもせず、熱いシャワーもあきらめて冷たいお風呂に入ったのか


バカか……。


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