クールな部長は溺愛同居人!?
「抱き枕の必需性がわかった気がする」
「なんで?」
「抱いて寝たら気持ちいい」
らしくない言葉。
会社の先輩たちに聞かせたい。
「未亜」
私の名前を呼びながら
ギューっとまた強く抱きしめる課長。
もう逃げ場はない
あきらめるしかない。
「未亜が温かい」
「か……幸弘さんの身体が冷たいんですよ。遠慮しないで温かいお湯出して使って下さい。逆に遠慮してたらうちの両親に怒られますよ」
「うん」
今夜の課長は気持ち悪いくらい素直。
よしよし
今日は立場が逆転だ。
油断してると背中に回った課長の手が、さりげなくパジャマの下にもぐり込む。
「冷たいっ!」
「人肌の方が温まる」
そっちは温まっても私はどうなる。
ここは雪山ではないのだよ。
課長の大きな手が背中に直接触って冷たいっ!
「未亜は背中も肩も小さくて、女の子って感じだな」
「人肌で温まらないで下さい」
恥ずかしくて冷たくて泣けてくる。