クールな部長は溺愛同居人!?

「抱き枕の必需性がわかった気がする」

「なんで?」

「抱いて寝たら気持ちいい」

らしくない言葉。
会社の先輩たちに聞かせたい。

「未亜」
私の名前を呼びながら
ギューっとまた強く抱きしめる課長。

もう逃げ場はない
あきらめるしかない。

「未亜が温かい」

「か……幸弘さんの身体が冷たいんですよ。遠慮しないで温かいお湯出して使って下さい。逆に遠慮してたらうちの両親に怒られますよ」

「うん」

今夜の課長は気持ち悪いくらい素直。
よしよし
今日は立場が逆転だ。

油断してると背中に回った課長の手が、さりげなくパジャマの下にもぐり込む。

「冷たいっ!」

「人肌の方が温まる」

そっちは温まっても私はどうなる。
ここは雪山ではないのだよ。
課長の大きな手が背中に直接触って冷たいっ!

「未亜は背中も肩も小さくて、女の子って感じだな」

「人肌で温まらないで下さい」

恥ずかしくて冷たくて泣けてくる。
< 72 / 153 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop