クールな部長は溺愛同居人!?
「我が家に人生ゲームないんですよ。買って下さい」
「うん。買ってくる」
大きな身体で素直に返事する課長が子供みたいだ。
ずっとくっついてると
お互いの体温で身体も温まってきた。
「未亜の身体が柔らかい」
「一応は女子ですから」
「未亜が可愛い」
「はいはい」スルーしよう。
「最初から好きだ。ひと目惚れした」
「あの私が高校生の時の顔合わせですか?冗談でしょう、あんなに怖い目で人をジロジロ見てたじゃないですか」
「可愛くてジッと見てた」
もうワケわかんない。
「温まったでしょう、早く自分の部屋に戻って下さい」
「もう少し」
「私はもう寝ますよ」
明日は……ってもう今日だよ、ハイスペック合コンなのに付き合っていられない。
課長が部屋に戻らないのなら
勝手に寝るからね。
「うん。おやす……」
「もう一発、頭突きをしましょうか?」
再びキスしようとしてきたので強気で言うと、課長はあきらめて「おやすみ」と言う。
本当にここで寝るの?かなり狭いのに。
私は課長に抱かれながら無理やり背中を向け、背中から抱きつかれながら目を閉じる。
ひとつのベッドで上司と部下が信じられない。
でも
でもなぜだろう。
温かくて安心できる。
襲われる心配だってあるけれど、なぜか課長を信頼している自分がいた。
子供の頃
大好きなお姉ちゃんとくっついて寝てたのを思い出す。
何だかんだで甘ったれで人恋しい私。
きっと課長も同じなんだね。
課長も甘ったれさんなんだ。
そう思いながら私は楽しい気分で目を閉じ、意外にもすぐ眠りに落ちた。