クールな部長は溺愛同居人!?

革のシートが気持ちいい。
身体は寒いけれど
顔がぽっぽと熱くなりシートに沈めて熱を冷ます。

課長はナビに柴田クリニックを登録して車を走らせた。

信号待ちで課長は何度も私の頬に手を重ね、心配そうな声を出す。

大丈夫です。
夜までに熱を下げて
行くぞハイスペック……無理でしょう。
頭の中でオチをつけ
もっとグッタリしてしまう。

車が停まって
またもお姫様だっこ。
もう反抗しません
好きにして下さい。

お母さんから聞いていたのか
玄関前でお姉ちゃんの同級生である柴田クリニック三代目が、寝ぼけまなこでお出迎え。

「朝っぱらから熱出すな」

ムダに顔はいいけど
口が本当に悪いお医者さん。

「ヘソ出して寝てたんだろ」

色々言われながら風邪と診断され
高熱と節々の痛みを取る点滴をして
薬をもらって病院終わり。

帰りに「ビタミン取れ」って高そうなミカンを一袋渡された。
ツンデレドクター
メガネの下の目は優しい。

課長はずーっと神妙な顔をして傍にいて
「ごめん未亜」ってまた謝って
優しく髪を撫でていた。











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