クールな部長は溺愛同居人!?
「ヤツは仕事の鬼だけど、人事に口出しするのは初めてで僕も驚いた。完全無欠な同期が執着するなんてどんな女の子かと思ったら、普通の可愛い女の子だった」
憧れの新堂係長の声が遠く聞こえるほど
このショックは重症。
「新井さん?」
「あ……すいません」
「顔色悪いけど大丈夫?でもね、僕も思うけど……あ、ごめん」
新堂係長は電話がかかってきたようで
ポケットからスマホを出し会話を中断。
じんわりと喪失感。
自分の人生を塗り替えられた気分。
広報の仕事は嫌いじゃない
華のある仕事に見えるけど
忙しい場所だった。
でも
自分が宣伝をする立場から見ると、会社の事がよく理解できて勉強になる。
覚える事がいっぱいある分
吸収するものも多い
そして
あの課長の下で働く事でスキルが上がり
他のどの課に移されても、仕事をこなせる気もする。
厳しい場所だけど自分の為になっていた。
先輩達にも恵まれて
幸せだと思うけれど
課長が勝手に
自分のわがままで変更したと思ったら
涙が出るほど
悔しかった。