クールな部長は溺愛同居人!?
「私を好き勝手に動かして楽しいですか?私は幸弘さんのおもちゃですか?家でも会社でもからかって遊んで楽しいですか?」
課長は何も答えず
ただ私をジッと見ている。
「幸弘さんにとって、大切な唯一の身内であるお義兄さんが私のお姉ちゃんと結婚して、やっぱり嫌でした?うちの家族に取られたようで嫌でした?」
私は何を言ってるのだろう
でも言葉が止まらない
嫌な言葉が溢れ出る。
「だから新入社員で私を見つけて、自分の課に入れました?もう住宅展示場に内定してるのに、人事にケチつけて私を課長の下に移動させました?」
そう言うと課長の表情が変わった。
やっぱり事実だったんだ。
「自分の思う通りにできて満足ですか?私なんて力のない新入社員です。でも……幸弘さんが私の進む道を邪魔する資格はないんです。私は住宅展示場に行きたかったんです」
明るいモデルルームで家族を迎え
精一杯のおもてなしをしながら説明して
住宅の素晴らしさを知ってもらいたい。
営業は力不足で自信はないけど
お客さんと顔を合わせて
自分の力を発揮できる場所に挑戦したかった。
「広報は嫌いか?」
「そんな問題じゃないんです。それとは別の問題です」
「広報が嫌いじゃないならいいだろう」
しれっと言われて
怒りが湧いてくる。