クールな部長は溺愛同居人!?
「私は課長が嫌いなんです!自分勝手に私を好きに動かして、私をいじめて楽しんでる課長が大嫌いなんです」
思ってもない言葉が自分から出て
しまった!って思った時はもう遅かった。
大嫌いなんて
言うつもりはなかったのに
酷い事を言ってしまった。
課長は表情を変えず
私の言い分を聞き一言「わかった」と、低い声を出す。
「今年中に引っ越す。来年……未亜を移動させるのに力を尽くす」
静かな声が寂しく響く。
「ごめん。でも兄が結婚して、未亜の家族になったのは嬉しかったよ。そしてうらやましかった」
ふっと一瞬笑顔を見せた
その笑顔も悲しさが見えた。
「新井家は優しくて温かくて心地よかった。そうだね甘え過ぎたごめん。俺はここの家が大好きだったよ。初めて家族ができた気がして嬉しかった。未亜を自分勝手に動かしてる気はないけれど、人事の件は事実だ」
事実なんだ……。
心の底で『誤解だ』って言って欲しかったのに。