完璧幼馴染の仮面が崩れるとき




私が改札をくぐっても向こうから腕を組んで私を見送ってくれてる。


はぁ。やっぱり遠くから見てもイイ男だ...



私が片手を上げて少しだけ手を振ると、『早く行け』なんて言ってるように笑って顎先をくっと持ちあげた


そんな仕草でさえも似合っていてなんだかドラマのワンシーンみたいだ。



借りたジャケットからは耀の匂いがしてクラっとしそう...。

今日は明日が休みだからってちょっと飲みすぎちゃったな。
あとで耀に謝んなきゃ。



耀は明日きっと仕事だよね。
電車に揺られながらずっと彼のことを考える。



思えば私が飲みに誘って断られたことなんてなかった。
商社マンは激務でさぞ忙しい日々を過ごしてるだろうに、耀はどんな事があっても私が誘った飲みには来てくれる。


ほんと、感謝しなきゃ…。



よし、今日は謝罪と一緒に感謝の言葉も伝えよう。




そう思ってLINEのトーク画面を開いてメッセージを送信した。




明後日のフライト、耀がいるのか…。
気合入れていかなくちゃ!


< 10 / 154 >

この作品をシェア

pagetop