完璧幼馴染の仮面が崩れるとき




少し休憩ということで、海辺に車を止めて砂浜を歩くことにした。



11月の海はちょっと寒い。
風が結構吹いていて、宇都宮さんの髪を揺らす


あれが茉莉花だったらなぁ。
きっと風にあたる姿でさえ魅力的で、少し寒そうにしてるところに、俺は着てるジャケットをかけに行くだろう。


なんで茉莉花じゃねんだよ。
と少しイラつきながらどんどん歩く宇都宮さんのあとを早足で進んだ。




「ちょっと寒いけど、うみかぜって気持ちがいいですね」



と爽やかに笑う彼女。



俺はもう限界を感じて話を切り出した。


「俺実は、ずっと好きな人がいるんです」




俺の言葉に最初はすごく驚いた顔をしていた宇都宮さんだったけど、俺の真剣な顔つきを見て、うんうんと頷きながら話を聞いてくれた。






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