完璧幼馴染の仮面が崩れるとき




結局約束の日まで茉莉花から返事が来ることはなかった。



既読はついてる。
だから、今日、ルシェルに俺がいることも知ってる。
頼む…来て欲しい。本当に。




俺は切実な思いでずっと茉莉花を待ち続けた。



「すみません。お客様、そろそろ閉店の時間でございます。」



ホールスタッフの方からそんなふうに声をかけられた。



そっか…。もう閉店か。


そう思いながらも、茉莉花のことだけは諦められない。


茉莉花が上京してきた最初のマンションしか知らない。
引っ越してませんようにと祈ってマンションのポストを見ると、

『602 : 壇』

と表札に書かれてあった。


勇気を出して、エントランスのチャイムを鳴らしても、反応話はなし。

外出してるのかもしれないとと持って俺はマンションロータリーで待つことにした。




< 105 / 154 >

この作品をシェア

pagetop