完璧幼馴染の仮面が崩れるとき
結局約束の日まで茉莉花から返事が来ることはなかった。
既読はついてる。
だから、今日、ルシェルに俺がいることも知ってる。
頼む…来て欲しい。本当に。
俺は切実な思いでずっと茉莉花を待ち続けた。
「すみません。お客様、そろそろ閉店の時間でございます。」
ホールスタッフの方からそんなふうに声をかけられた。
そっか…。もう閉店か。
そう思いながらも、茉莉花のことだけは諦められない。
茉莉花が上京してきた最初のマンションしか知らない。
引っ越してませんようにと祈ってマンションのポストを見ると、
『602 : 壇』
と表札に書かれてあった。
勇気を出して、エントランスのチャイムを鳴らしても、反応話はなし。
外出してるのかもしれないとと持って俺はマンションロータリーで待つことにした。