完璧幼馴染の仮面が崩れるとき
茅野さんから聞く話は衝撃的なことばかりだった。
耀はこの半年間、上司に新プロジェクトのチーフを任されるほどの業績を上げたらしい。
フランスか…。
遠いなぁ。
何回も仕事で行っているとはいえ、耀があそこに住むとなれば話は別。
耀に言い残したことなんて、山ほどある。
会って話したい。
明日は運がいいことに、耀の飛行機の便の離陸空港で、17時までの予定だ。
たぶん、間に合うはず。
「茅野さん、耀のこと、伝えてくださって、本当にありがとうございます
私、このこと知らないままこの先、耀と会えずに絶対ずっと後悔してました。
明日、少ししか話せないと思うけど、私なりに言葉を選んでしっかり話してきます」
私の言葉に茅野さんは「ほんと言えてよかった」と安心した表情をしてくれた。