完璧幼馴染の仮面が崩れるとき
耀の乗る便の搭乗ゲートに着いた時には、
せっかく直したメイクも多分ボロボロで、制服だってはしったせいでかなり着崩れしてるだろう…。
だけどもう、そんなことを気にしてる余裕なんてない。
大勢の人の中から必死で耀の姿を探す。
……いない。
嘘でしょ…?
搭乗ゲートは開いていて、もしかすると、もう飛行機に乗ってしまったのかもしれない。
だけど、こういう時に限って、耀に伝えたい言葉がどんどん溢れてくる。
もしかすると、私が見落としてるだけなのかもしれない。
そう思って、搭乗していくお客様を1人ずつ確認した。
そうしていると、18時を知らせるチャイムが空港に流れると共に、ガラスの向こうに見える目の前の飛行機が、出発した。
間に合わなかった…。
きっと、耀は1人だし、先に乗っちゃってたんだ
そっか…。そっか…。
とりあえず着替えて帰ろう…。