完璧幼馴染の仮面が崩れるとき
本当なら20分もかからず帰れるはずなのに、
耀のことを思い出しながらゆっくり歩いてると、帰るのに40分くらいかかってる…。
もう少しでマンションだ。
そう言えば、まだ耀にあのジャケット返せてないまま…。
私の家には耀との思い出が多すぎる。
辛いな…家帰るの。
って思ってても、他に帰る場所なんてないしな
そんなことを思いながら歩いてると、もうマンションのエントランスが見えてきた。
もう20時か…。今日は早くお風呂に入ってさっさと寝てしまおう。
そう思ってマンションに入ろうとすると、
「茉莉花…」
私の後ろから耀の声が聞こえた。
もう、やだ。
会いたすぎて幻聴まで聞こえちゃった…。
そう思ってエントランスの鍵を鍵穴にさそうとしたところで、
「茉莉花!」
と今度はしっかりと聞こえた。耀の声。