完璧幼馴染の仮面が崩れるとき



本当なら20分もかからず帰れるはずなのに、


耀のことを思い出しながらゆっくり歩いてると、帰るのに40分くらいかかってる…。


もう少しでマンションだ。



そう言えば、まだ耀にあのジャケット返せてないまま…。


私の家には耀との思い出が多すぎる。



辛いな…家帰るの。


って思ってても、他に帰る場所なんてないしな



そんなことを思いながら歩いてると、もうマンションのエントランスが見えてきた。




もう20時か…。今日は早くお風呂に入ってさっさと寝てしまおう。



そう思ってマンションに入ろうとすると、




「茉莉花…」





私の後ろから耀の声が聞こえた。






もう、やだ。

会いたすぎて幻聴まで聞こえちゃった…。




そう思ってエントランスの鍵を鍵穴にさそうとしたところで、


「茉莉花!」


と今度はしっかりと聞こえた。耀の声。


< 120 / 154 >

この作品をシェア

pagetop