完璧幼馴染の仮面が崩れるとき




「でも私、今日はルシェルに入れるほど綺麗な格好してないよ…」



私がそう言うと、

「心配すんな。着替えは中に用意してあるから」


そう言ってルシェルと同じフロアの32階にあるロッカールームに連れてきてもらった。


「この横に更衣室があるから、着替えておいで?」



そう言って耀は私に黒い背中の部分がしっかり開いた大人っぽいドレスを渡した



更衣室でドレスを着てみると、サイズが私にぴったりで、いつもの私よりも数段と大人に見えた



だけど、泣きじゃくって崩れたメイクと
仕事のままのなにもヘアアレンジしてないお団子が残念…。



直せるようなものも持ってきてないし…


せっかくだけど、仕方ないか…。



と思って渋々更衣室から出ると耀じゃなくて耀のお姉さんの麗奈ちゃんが待ってくれてた


「え!?麗奈ちゃん?
お久しぶりです!」


私がそう言うと、


「わ〜よかった覚えてくれてて♡

絶対可愛くするから安心して?
さぁ、行くわよ!こっち!」


なんて言われ、エレベーターで22階におりた先のドアを開ければ、大きなパウダールームが広がっていた


麗奈ちゃんに言われたところに座ると、さっそくヘアアレンジを始めた



麗奈ちゃんは昔からメイクとかヘアアレンジがすごく上手だったもんなぁ



麗奈ちゃんの細かな指先の動きを見ながらそんなことを考えてると、



「耀、こんなの着させるなんて結構いやらしいわね」


と麗奈ちゃんが笑った


「へ?」


「いや、今日は俺に時間くれって言われてね?

このドレスに合うヘアメイクを茉莉花ちゃんにやってって

で、このドレスどうしたの?って聞いたら俺が選んだって言ってたからついおかしくって」






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