完璧幼馴染の仮面が崩れるとき
♢完璧な幼馴染の仮面が崩れるとき
緊張した中、エレベーターで上がる。
レストラン『ルシェル』に着くと、耀が先に入って扉を開けて私が入るように促してくれた。
「予約した久遠です。」
お店の人にそう伝えると柔らかく微笑んでお店の中に案内してくれた
暗い店内に各テーブルのキャンドルが幻想的に灯る。
大きな一面に広がる窓からは東京の夜景が綺麗に見える。
あの20歳の誕生日の頃の気持ちをすごく思い出した。
席につくと、ウェルカムドリンクのシャンパンが運ばれて、とりあえずドキドキしながら乾杯をした。
「なんかすげぇ夢みたいだな。
茉莉花とまたこうやってまた食事できてんの」
耀が、本当に嬉しそうにそう言うから胸がドキドキして、「私も」と頷いた。
何を話せばいいのか全然言葉が出てこない。
2人でしばらく黙っていると、前菜が運ばれてきた。