完璧幼馴染の仮面が崩れるとき



「食べるか。」



耀がそう言ったから、私は食べることに頑張って集中した。
私は耀に何を話そうと思ってんだっけ…。
本当にいざとなると全然言葉が出てこない。



私が前菜に集中していると、耀が切り出した。



「連絡、遅くなってごめん。

言い訳するみたいだし、茉莉花に不安要素増やしそうで、あんま言いたくないけど、

俺実は上司から取引先のお嬢さん紹介されてさ。

中途半端な状態で言いたくなくて、遅くなった」



そうだったんだ…。


私が見たあの女性はその取引先のお嬢さん…?



じゃあ、大切な話ってやっぱり。
期待していいの?



そう思ってると、耀が言葉を続けた。



「あの、フランスの時。

俺酔いすぎて、正直、全部のことは覚えてない


でも、多分言いたい放題言って、やりたい放題やったと思ってる。


本当にごめんな。」



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