完璧幼馴染の仮面が崩れるとき
♢機内の出会い



化粧室の鏡。

髪型バッチリ。メイクバッチリ。服装バッチリ


このチェックをするのは、朝からもう5回目。
理由は言うまでもなく、耀に会うからだ。


すべてのブリーフィングを終えて離陸まで、搭乗し、お客様を案内するだけになった。


昨日、結花と決心したせいか、いつもよりもメイクに気合が入って、気持ちも高まってる。

耀に少しでも綺麗だって思われたい。鏡を見ながら思ってると


「茉莉花~!行くよ」

結花の声が聞こえた。


化粧室から出て、キャリーケースを持つ。

「今日の茉莉花、いつもより綺麗」

なんて結花が言うから少し照れてしまう。



所定の位置について機内の安全を確認し終えると、お客様がどんどん搭乗してきた。


「いらっしゃいませ」


笑顔で対応していると、耀の姿が見えた
片手に携帯電話を持ち、フランス語で話している


「Je me dirige à partir de maintenant.
J'ai pris un avion et je vous contacterai plus tard.」
(今からそちらへ向かいます。飛行機に乗りましたので、後ほど連絡します)


私の少し前で電話を切ると、「よ」と片手をあげた。

「いらっしゃいませ」

そう言って私が笑顔を見せると、「よろしく」と言い私の肩にぽんっと手を置いた


次のお客様に挨拶をしながらもさっきのドキドキを忘れられない。


緊張した...。耀がいるフライト、久しぶり...。
少しは成長した姿を見せたい。
そう思っていながら仕事をしていると、いつの間にか離陸のための準備に入った



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