完璧幼馴染の仮面が崩れるとき
シートベルトを着用する。
私はこの離陸の瞬間が好き
なんか、スイッチが入るっていうか、よし、やるぞって気分になるの。
シートベルトサインが消えてドリンクサービスを始める。
小さな子どもから高齢の方まで様々なお客様と関われるのはこの仕事のとてもいいところ。
少し嫌なことがあったとしてもお客様と関わっていくことでいつの間にか忘れられる
「アルコールからノンアルコールまで様々なドリンクがございますが、ご希望はございますか?」
「壇さんのおすすめノンアルドリンクを」
そう言ってニヤッと笑うのは紛れもなく耀だ
こーやってすぐに茶化すんだから
そんな耀に少しの嫌がらせ。
耀は甘いものが少し苦手だから、この中でも一番甘い飲み物にした。
「こちら、アップルジュースでございます」
「さすが、嫌がらせのプロだな」
「茶化しを受けましたので。」
私がそう言うと、耀の隣に座っている男性がぷっと笑った
「おい、健人!笑うなよ」
「いや、面白すぎるなと思って。
僕はホットコーヒーをください」
健人と呼ばれたその人は、耀とはまた違ったカッコ良さを持つ男性だった
モテるだろうなぁ~この二人。
てゆうか、どういう関係性?
私がそう思ってることを見抜いたのか、
「こいつ、同期の茅野 健人(かやの けんと)」
とご丁寧に紹介をしてくれた。
「いつも壇さんの話はよく聞いてます。茅野です」
「お前は余計なことゆうな」