完璧幼馴染の仮面が崩れるとき
言われるがままに裏を向けてみると
『今夜、19時半。
éternité-エテルニテ-でご一緒に食事しませんか?
何も心配なく、手ぶらでいらしてください。
こちらにご連絡ください。
090-*♪$%-☆♪*# 秋月 潤』
なんてメッセージが書かれてあった。
「エテルニテってあの有名フランス料理じゃない??!」
いつの間にか私の横でメッセージを覗き込んだ結花がいつもより興奮気味で私を責め立てる
『éternité』とは、私も知る有名高級フランス料理店。ミシュランで毎年三ツ星を獲得し、セレブ達が集うようなお店だ。
そんなお店に行くようなドレスも私は持ち合わせていないし、だいたい、そんな度胸もない。
「手ぶらでって...。」
「茉莉花!
fleur beauteは有名ファッションブランドよ!?
だから、秋月さんに任せるといいじゃない!
手ぶらでって言うぐらいなんだからなにか対策があるのよ!」
「だけど...。」
私が躊躇している理由はそれだけじゃない。
耀以外の男性とふたりで食事に行くのはどうかと思っているのだ。
この前、耀にまっすぐになろうって決意したのに。
そんなは私の考えなんてお見通しな結花は私を諭すような目を向ける。
「茉莉花。
いーい??久遠さんは久遠さん。
これはこれ!!
めったにこんなチャンスないんだから!
楽しんでくるべきでしょ!!」