完璧幼馴染の仮面が崩れるとき




そして、そこから着陸までぶっ通し。

たまに耀の真剣な顔や寝顔、たまにニヤッと私を茶化すような表情にドキッとしながらフライトを終えた。


「ありがとうございました。
素敵な旅を。」


そして、お客様をお見送り。
何人ものお客様をお見送りしていると、遠くからでも分かる煌びやかなオーラを放っている男性が歩いてきた。


「壇さん、また今夜。」


そう言ってセクシーな微笑みを見せるのは先程の秋月さん。



「えぇ。私も楽しみにしております。」


そう言ってにっこりと笑って礼をすると、その後から耀と茅野さんがやって来た



私が「ありがとうございました」という前に早足でづかづかと歩いてきて、私の頭をパンっと軽く叩いた耀。



「お前、やっぱスカート短いんじゃねぇーの?
気抜くなよな」



なんて不機嫌な顔で呟いて、さっさと行ってしまった。
後から茅野さんが私に困った笑顔で会釈して耀を追いかけていた。



もー!なんだっていうの??!
ちょっと怒ってる??
でも全く怒らせたような記憶が無い。



仕事で何かあったのかな...。
まぁいいや。またきっと時間が経てば何にもなかったようになるし、そっとしておこう。




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