完璧幼馴染の仮面が崩れるとき
「痛っ!お前...ただの冗談だろ??そんな本気で叩かなくても...。」
「俺が許せない冗談ゆうお前が悪い。」
「ったく、壇さんに見せてやりたいよなこの余裕のなさ。」
そう言って笑う健人が言ってることはごもっとも。少しくらい余裕も欲しいけど...。
茉莉花は自分が男にかなりモテることを自覚していない。
ひとつひとつの仕草とか、表情とかに色気が漂ってんのに。それ、どーにかならないわけ?
「てかさー。耀は今の今まで1回も壇さんに告ってねぇの?」
健人が不思議そうに俺に問いかける。
「つか、いつから好きなわけ?」
話せば長くなるけど?と俺が言っても長い旅だし暇潰しに丁度いいなんて答えられたから俺は話し始めた。
まず好きになったのは俺が小学生の頃。
茉莉花が6歳。俺は9歳。
好きな人が誰だとか、一丁前に話し始める小学4年。
俺も当然の如く女子に散々問いただされて考えてみるけど、正直よくわかんなかった。
そんなの分かるわけなくね?まだ9歳だし。
でも俺は素直に考え続けたわけ。
そこから半年ほど。
下校途中に茉莉花が同級生の男の子に頬っぺにキスされてんのを見た。
その時俺は何故かとてつもなく嫌な気持ちになった。
2つ上の姉、麗奈(れな)に話すとそれが好きだってことだと教えられて、そっからはもう茉莉花を女の子として意識し始めた。