完璧幼馴染の仮面が崩れるとき
俺の周りへの牽制が始まったのはそこから。
茉莉花に近づく男の子とは迷わず戦う。
戦うといっても、小学生。俺は年上という最低な権力を駆使して「茉莉花は俺のだから。」なんて言い回る。
姉にこのことがバレた日にはかなり笑われた。
「そんな事しなくても、茉莉花ちゃんに直接言いなさいよ。」
そう言われても勇気なんてない、チキンな俺。
それから、意を決して告白しようと決めたのは俺の小学生の卒業式だった。
卒業式後、俺は茉莉花を呼び出して思いを伝えよう。そう決めていたのに、思った通りには行かなかった。
俺の周りには、女子生徒。
俺のネクタイとボタンが欲しいらしい。
その横をなんにも気にしないようにすっと下校する茉莉花。
家に帰っても隣の家のインターホンを押す勇気もなく呆気なく俺の告白作戦は失敗した。