完璧幼馴染の仮面が崩れるとき
中学に上がった俺はサッカー部に入った。
そして、とにかくモテる。
周りにはいつも男友達か、女子。
告白されるなんて日常茶飯事だし。
いつの間にか周りはカップルが増えていて、当時の俺は茉莉花とカッコよく付き合うためには経験を積まないと。なんて馬鹿みたいな考えの元、年上から年下まで、何人もの女の子と付き合った。
ある程度、だいたい中学レベルで一通りのことを経験して学生生活を楽しんでた俺。
中学の卒業式では学ランのボタンが全部なくなった。
そのまま受験して高校にも首席で合格。
高校でもまぁ、安定にモテた。
でも、茉莉花の中学校の入学式の朝、初めて見たセーラー服姿にやっぱりずば抜けてイイ女だと改めて思わされた。
だって、ついこの前まで俺の周りの女子達と同じ制服だとは思えないぐらいキラキラしてんだって。
そんな茉莉花がモテないわけがない。
その噂は俺らの高校にまで広がって、茉莉花は軽い有名人だった。
なんか悔しくてやけくそに女の子と遊んだ俺の黒歴史はここから作られるわけだ。
女なんて簡単。全てをわかった気がして調子に乗ってる俺に訪れた転機。
ある日の放課後に茉莉花が告白されそうになってんのを見た。
茉莉花にはまだ早い。茉莉花の始めては全部俺がもらうんだから。
そう思ってた俺はわざと「茉莉花」と声をかけた。俺も地元じゃ有名人。
相手の男の子は「じゃあ、また!」と言ってすぐに居なくなった。
最低だろ?でも、こーするしかなかった。
茉莉花が誰かのものになるなんて耐えられない。
「耀!久しぶり」
そう言って屈託なく笑う茉莉花が可愛くて、すっと手を握ったその時感じたドキドキや緊張。