完璧幼馴染の仮面が崩れるとき


俺は初めて好きな女と他の女とでは全然違うんだということに気付かされた
実際に手を取ってみないと分かんねぇなんて、ほんと、バカだよな。


茉莉花はなんにも考えてないみたいだったけど、俺の頭は真っ白。


小さくて細くて綺麗な白い手。
愛しくて愛しくて。
やっぱり俺には茉莉花だけだなんて知った高2の冬だった。



そっからは女遊びはやめて、受験勉強にいそしみ、東京の有名大学に合格した。
入学式で挨拶させて貰ったってことは首席だったんだろう。



東京に引っ越す日。
つまり、茉莉花とわかれる日が近づく。



俺は絶対にここしかないという日に告白することを決めた。


地元を発つ前日、俺は茉莉花にデートを取り付けて、映画を見てショッピングして。
夜には地元じゃ有名な夜景が綺麗な場所に連れていった。



そして、約一年ぶりにその綺麗な手を握った。



やっぱりかなりドキドキする。
ほかの女とは比べ物にならないほど心が満たされる感覚。
繋いだ手から伝わるぬくもりがかなり愛しくて仕方ない。


「すっごい綺麗!!」


なんてはしゃぐ茉莉花。
そんな余裕なんてない俺。

この俺の雰囲気を不思議に思ったのか茉莉花は俺の方を向いて「耀?」と首を傾げた。



少し潤んだ瞳。綺麗すぎて。愛しすぎて。
俺は茉莉花に初めてキスしてしまった...。



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