完璧幼馴染の仮面が崩れるとき
入った瞬間に目に入ったのはたくさんの洋服。
さらに大人数のスタッフ。
もっと奥に目を向けると、鏡とリクライニングのイスがズラーッと並んだいて、ヘアメイクができるようになっているようだった。
「ここ、ウチのブランドの撮影スタジオなんだ」
「へぇー...。すごい...」
もう開いた口が塞がらない状態の私。
そんな私に少し笑いながら
「そんな不安な顔しないで?今日はフランスで活躍してるスタイリストさんが来てくれてるんだ」
なんて言って、初めに洋服のところに連れていかれた。
そこからはスタイリストさんにおまかせ。
私に似合いそうなパーティドレスをドンドンと試着させる。
全身鏡を見るたびにその美しさに驚く。
結局、私の意見も聞いてくれて深紅の大人っぽいドレスを選択した。
だって、秋月さんの隣にいるには随分と背伸びしなきゃ、自分が子どものように思えて恥ずかしすぎる。
そのドレスだけでは寒いということでショールをかけてくれた。
そして、そのあとそのままヘアメイクの所へ連れていかれ、あとはもうされるがママ。
完成したということで鏡を見ると、見違えるほど大人っぽくて、自分の魅力を最大に引き出してくれたようなメイクだった。