完璧幼馴染の仮面が崩れるとき
「素敵だよ。茉莉花さん」
また素敵な声が聞こえて振り向くと、秋月さんが右手を私の方に差し出していた。
私がその右手をとると、行こうかと言って
今度こそあの、高級レストランに向かった。
そこからはもう夢のような世界だった
上品な店内。乾杯のワインも飲んだことないほど美味しくて、前菜でさえももうびっくりするほど凝ってる。
何を食べても美味しくて、ただただ感動していた。前を見ると、微笑みながら私を見つめる秋月さん。
なんか...本当にお姫様になった気分。
秋月さんのエスコートは完璧で、ホールスタッフの気遣いも完璧で。
やっぱり一流ってすごい。
なんて思いながら食事をしていると、秋月さんが言い始めた。
「今日は、食事の誘い、受けてくれて本当にありがとう」
「いえ!!こちらこそ、こんな素敵な時間を過ごさせていただいて...。」
「いや、本当にずっと茉莉花さんとこうして話してみたかったんだよ。
僕が初めて機内で体調を崩した時、本当に辛かったんだけど、茉莉花さんが膝掛けと暖かい飲み物を持ってきてくれたんだ。
こんなにも気が利く客室乗務員がいるんだと驚いたよ...。
そこから飛行機に乗ったら君を探すようになった。
いつ見ても君はイキイキしていて、本当に仕事が好きなんだと思って見ているこっちも頑張ろうって思えたんだ」
「そんな...光栄です。」