完璧幼馴染の仮面が崩れるとき




そして、耀は極上の色気を放ってこう呟いた。









「なぁ、いい加減、こっち見ろよ。」




そして降ってきたのは、耀の柔らかい唇だった


耀とのキスは初めてじゃない。
あの、耀が東京に引っ越してしまう前の日のデート。


あの時の自分の気持ちを思い出す。


そう、あの時の私はこんなにも強がったり、大人ぶって背伸びなんてしなかった。
ただ純粋に耀のことが大好きで、キスには驚いたけど、経験したことないくらい胸が高鳴った
それに、嬉しかった。


でも、あのあと、あのキスが耀にとっては別に意味のあったキスじゃなかったんだって。
私はまだまだ子どもなんだって思って、一生懸命背伸びした。
耀に届きたくて、別の人と付き合って。

でも、その人と交わしたキスはやっぱり耀のものとは全然ちがう。



優しく触れるだけだった唇が、余裕をなくしたように私の唇をついばむ。
今、私は素直になるべきなのかもしれない。
大人ぶって取り繕った自分を捨てて耀に真っ直ぐに。


私が耀の背中に腕を回した瞬間、耀の温かくて柔らかいものが私の口の中に入ってきた。
優しく私を撫でる左手。
ひとつずつ確かめるような優しいキスからの余裕がないような荒々しいキス。
まるで私のことが大好きだって言ってるように思える。



私...今日だけは自惚れてもいいだろうか...。



ふたりで求め合うキスはもっともっと余裕をなくしていく。
いつの間にか私の背中に当たった壁。
耀の左手は私の右手をしっかり捉えて壁に押さえつけている。


もう何も考えられない。
もっともっとって耀が欲しくなる。


キスに夢中になっていると、耀が私を誘導して、ふたりでベットになだれ込んだ。


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