完璧幼馴染の仮面が崩れるとき
♤酔いに身を任せて




目覚ましのアラーム、いつもと同じ音。
何も変わらない朝。これからは今回のフランス出張の中での最も大事な会議だ。

それより頭痛てぇ。気持ちわる。
昨日...俺飲みすぎたな。
少し伸びをして若干の違和感を感じる。


俺、自分でスーツ脱いだ?ベルトまで?
そんなことを考えていると、隣に人の気配。


ふと左を見ると俺は驚いた。
茉莉花が可愛い顔をしてスースーと寝息を立てている。



一瞬夢かと思ったけど、夢じゃない。
時間もないからとりあえずシャワー浴びるか。



そう思ってバスルームに向かって頭からお湯をあびると断片的に思い出した記憶。



俺、やらかした...。結構やばくね?
酔って言いたい放題言って、挙句の果てにキスして、壁に押さえつけて、ベットに押し倒して...?



人生最大の失敗。
酒に呑まれたのは初めてだった。


いつもより大人っぽくて、綺麗でセクシーで。
俺よりも他にこんなに綺麗な茉莉花と食事をしてその後を過ごしていたことが許せなかった。



すべてを覚えている訳じゃないけど、抱き寄せた時の柔らかさとか、触れ合う唇の熱さとか...

なんとなく感覚的に覚えてる
好きな女のオンナという部分に触れて、歯止めが効かなくなった。


一体どこまでしてしまったのか...。




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