完璧幼馴染の仮面が崩れるとき
部屋を出てからふぅとひと息。
やべぇ。勢いで言っちまった。
けど、このまま何も話さなかったら茉莉花との関係は終わりだ。
まぁ、言っても終わりかもしれないけど。
茉莉花、今何考えてんだろ。
俺、ほんとなにやってんだよ。
なんて思いながらエレベーターに向かうと、エレベーター待ちをしている健人と遭遇。
「よう」
なんて呑気に俺に挨拶してくるからちょっとイラッとして、「ん」と返した。
「うわっ、お前酒クサ。
昨日相当飲んだのか??彼女を思って?」
なんてニヤニヤ突き止めてくる健人。
「最悪、マジで。」
俺は断片的に覚えてる程度のことをエレベーターの中と会場へ向かう道で話した。
すると、どんどん健人は明るい顔になって、
「え、お前それやったじゃん?!」
なんて言い始めた。
「は?お前俺の話聞いてたか??」
「聞いてたよバッチリ!
お前さ、何年も何年も止まってた関係が少しずつ動いたっつうことだろ?
しかも、そんなお熱いキスなんかしたならなぁ...?
もうコッチのもんじゃね?
俺からすれば逆になんで最後までしてねぇの?って感じなんだけど。」