完璧幼馴染の仮面が崩れるとき
私だけがずっと耀のことが好きで、憧れて追いかけて…。
だけど耀はいつも私よりもずっと先を歩いてる
私が一生かけてもきっとその背中が振り向くことなんてないんだ。
「茉莉花…。行こ?」
結花が私にハンカチを渡して、優しく肩をポンポンと触れて慰めてくれる。
そっか、私、泣いてるんだ。
日が落ちてだんだん辺りが暗くなって、私の目に滲む涙のせいもあるのか、あのイタリアンのお店がキラキラと輝いて見える。
きっと中からは暗い外の様子なんて見えない。
私は結花に背中を押されながら駅の近くの公園へ向かった。
街灯の下のベンチに座ると、結花がちょっと待っててとどこかへ行ってしまった。
自分はなんて惨めなんだろう。
ずっと信じて待ってて、期待ばかりして待ってて、結果はこれだ。
耀が私の隣に並ぶ日なんて、ないんだろうな。
そう思うとまたさらに追って涙が溢れる。
もう…やだ。
耀を好きでいることが辛い…。