完璧幼馴染の仮面が崩れるとき
メッセージを打っていると、耀の存在の大きさに、また涙が溢れてくる。
私ってこんなに涙もろかったかしら…。
こんな自分の気持ちを押し付けるようなメッセージ、送っていいのかとは思いながら、これが私の正直な気持ちだし、と思い切ってメッセージを送信した。
すると、すぐに『着信 : 秋月 潤』と携帯の画面が切り替わった。
えっ…
と思いながらも必至で涙を拭って電話に出た。
「もしもし…?」
『もしもし?秋月です。
ごめんね?こんな時間に電話なんてして』
大人っぽい落ち着いた低い声が聞こえた。
「いえいえ!私もあんなメッセージ…すみません。」
『なんで謝るの?正直な壇さんの気持ちが知れて、よかったと思ってるよ。
でも、前にも言ったよね?
君みたいな素敵な人に、好きな人がいて当然だって。
それに前からその相手は強敵だって分かってたし。
それに、今日の君の声も前の食事でその彼を思ってた君の表情も、すごく切なく感じるんだ。
失礼なことかもしれないけど、壇さんは彼と上手くいってるの?』