完璧幼馴染の仮面が崩れるとき




車で私の家の近くまで迎えに来てもらう約束をしてる私は秋月さんを待たせないようにと、早めに行ったつもりだったのに、


「おつかれ」


と待ち合わせ場所で優しい顔をして待っている秋月さんを見て、この人は本当にいつも完璧だなぁと感心してしまう。




「すみません。お待たせしてしまって…」



「いやいや、男が女性よりも先に着いておくのは常識でしょ?

そんなことより、今日も素敵だね」




うん。やっぱり完璧だわ。

なんて思いながら、耀とのことを思い出す。
そんな事考えたこともなかったけど、確かに耀も私より後に待ち合わせ場所に来たことは無かった。


というより、私をおいて先に飲んでるんだけど…。




「ほら、また別の男の事考えた?

今日はそんな暇ないくらい楽しませないとね」



耀から離れない私にそんな声掛けまでする秋月さん。
一切気分を悪くしたりせず、笑ってくれるのは、やっぱり大人の余裕?


この人に悪いところなんてあるのかな…。


不思議に思いながらも、秋月さんの高級車にエスコートされながら乗車した。




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