完璧幼馴染の仮面が崩れるとき





ついたお店は、相変わらず高級そうなお店だったけれど、どこかあたたかみのある、親しみやすいお店だった。



「ここ、僕が都内で一番好きなお店なんだけど、女性を連れてくるのは壇さんが初めて。」




そう言って私の背中にそっと触れてお店までエスコートする。


「予約した秋月です」


という前にもう既に店員さんの頭が深く下がっていることにやっぱりこんな男性は私にはもったいないと実感した。



席に座ってからもずっと秋月さんのペースで話が進んだ。

自分は運転するから飲めないのに、私には遠慮しないでとオススメのワインを頼んでくれる。


私が「そんなそんな…」と遠慮をしても、「僕がお酒飲んだら壇さんに何するか分かんないからね」と冗談を交えて私が遠慮しないように運んでくれる。


そこからも、楽しい話と仕事の熱い話をしていると、あっという間に時間が経った。



「送るよ」


と大人な声で言われ、ちゃっかりマンションの前まで送って貰った。

もちろん、降りる時も、私の方の扉を開けてくれて、しっかりエスコート付きで。





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