完璧幼馴染の仮面が崩れるとき



秋月さんと分かれてから自分の家に帰ると、
ふぅ〜とひと息ついた。

今日のデートを思い返しても、やっぱり秋月さんは紳士的で素敵な男性だと思う。
女性のエスコートも完璧で、気配りも完璧。


このまま秋月さんとデートを重ねて素敵な自感を過ごしていけば、秋月さんのことを好きになるかもしれない。


耀をはやく諦めて秋月さんのことを好きになれば、きっとは私は幸せで、素敵な人生が待ってる。


そんなことは頭でわかっているのに、心は耀を忘れてくれない。というより、忘れたくないんだ。




あんな素敵な秋月さんの好意を素直に受け取れないなんて本当に私は勿体ない女だわ。



今日だって、ご馳走になったしお礼のメッセージ送らないと。



『今日もありがとうございました。
素敵なお店で、とても楽しい食事でした。
ご馳走になってしまってすみません。』




当たり障りのないテンプレートのような文章だけど、今の私の中途半端な状態で、あんまりにも期待させるようなことは言いたくないし、
このくらいで丁度いいわよね?


なんて考えながら、もう一度文を読み返して送信ボタンを押した。






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