完璧幼馴染の仮面が崩れるとき
『好きよ。』
ただそれだけの言葉が言いたいのに。
この顔を見ると胸がぎゅって苦しくなって、でもとても愛しくて。
言葉になんてできない感情が溢れ出す。
「明日も仕事、頑張ってね」
素直になれずそんな言葉以上は言えない私の気を知っているのか知らないのか...。
なんでもお見通しのように見えるその鋭い瞳が私をとらえる。
一瞬時が止まったように感じたけれど、私のおでこにパチンと耀の指が飛んだ。
「ったく。酔っ払い。
お前、俺じゃなかったら間違えなく食われてんぞ」
『俺じゃなかったら』ね...。
その俺だからここまで酔えるし、その俺になら食われてもいいんだけどね。なんて...
食われちゃったら関係修復なんて不可能なのわかってるけど。
って。私は何考えてんだか...
「大丈夫よ。相手選んで飲んでるの」