完璧幼馴染の仮面が崩れるとき




ルシェルの上品な暗めのシャンデリアの灯りの下、一つ一つのテーブルにキャンドルが灯って、東京の夜景が綺麗に見える席に耀と私とあの女性…?


そして、耀があの女性に微笑みかけて、私は思ってもいない祝福の言葉を耀たち2人にかける



そんな情景が浮かんで、今からでも涙が溢れそう。




やだよ。そんなの。

それになんであのお店なの…。




こんな気持ちで土曜日に行ったら、耀の目の前で泣いてしまいそう。
そんなことしたら、一瞬で重たい女だ。



やっぱり土曜日は行けない。というより、行くべきじゃない。だって、どんなに素敵な人でも、耀とその女性との幸せを願うことなんて私にはできない。



うん。土曜日は行かない。それと家で一人で過ごしたら私はずっとこのことばかり考えてしまうから、結花と一緒にいよう。




そう決心して、結花に電話をかけようとして、やっぱりやめた。



そう言えば、土曜日は長年付き合ってる彼の両親と会う約束してるって言ってた。


私が電話なんかしちゃうと、なんでも結花にはお見通しで、自分の予定を削ってでも私のところに来ちゃいそうだ…。







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