完璧幼馴染の仮面が崩れるとき




だから、結花には絶対連絡しちゃダメだ…


となると、気を許す友だちが少ない私にはもう、秋月さんしか思いつかなかった。




ここで秋月さんを私が誘えば耀と結ばれる運命はまるっきり無くなる可能性が高い。

だって、私は耀よりも秋月さんを選んでるわけだから…、


まぁでも、そもそも、耀の心の中に私と恋人の関係になる気持ちがないなら、どのみち一緒。




いいじゃない。こんな時くらいちょっと甘えるぐらい。

私はずっと耀を思って思って思い続けて、これだもん。
少しくらいいい思いしてもいいでしょ。




そう自分を肯定して、さっき送ったテンプレートのようなメッセージに重ねて、




『秋月さん。

次の土曜日の夜、一緒に過ごしてください』




と送った。


昔ばかり気にしちゃダメだ。
だって、今回の大事な話をあのレストランでするぐらい、私のあのハタチの誕生日は何回でも上書きしてもいいような思い出だって事だ。



もう終わりにしよう。
耀のことが好きな私も。強がる私も。



そう決断し、私はそのまま睡眠に落ちていった




< 81 / 154 >

この作品をシェア

pagetop