完璧幼馴染の仮面が崩れるとき
午後8時。
助手席にすわって、運転する秋月さんを見る。
今から行けるところなんてきっと限られてるし、私の急な要望に答えてもらうのもすごく申し訳ない…。
なんて考えてると、
「今、申し訳ないなぁって思った?」
と、秋月さんはそう言った。
エスパーかと思うぐらい本当に人の気持ちがわかる人だ。
「凄いですね…私、声に出てました?」
そう聞くと、「顔に出てた」そう言って優しく穏やかに笑った
こんなに私の気持ちがバレバレな訳だから、きっと、嫌なことがあって、秋月さんに甘えている私のきたない心まで分かってるんだろうな…
「すみません。こんな無茶なお願い聞いてもらって」
「全然でしょ。
僕は壇さんと一緒にいられて凄く嬉しいし、
だいたい、僕が言ったんだよ?利用していいって。
僕もこうしておいしい思いしてるんだから、いいじゃん?
むしろ、俺に頼ってくれてありがとうって言いたいぐらいだよ。」