完璧幼馴染の仮面が崩れるとき




タガが外れたように溢れ出てくる涙。
たくさん悩んでたくさん泣いてきたつもりだったけれど、まだまだ気持ちの整理なんてついてない。

改めてそう実感した。


泣いてばかりの私に、秋月さんは何も言わずすっとハンカチを渡してくれた。


「ありがとうございます…」


そう言うと、


「思う存分、泣いていいよ
今まで我慢してた分までたくさん。」



と、優しい声が返ってきて、私はもっと泣いてしまった





「着いたよ?」


秋月さんの優しい声が聞こえるまで、ずっとずっと静かな車の中で泣き続けた



「すみません…運転してくださってたのに」



そう言うと、

「気にしないで?壇さんの気を少しでも楽にすることが今日の僕の仕事だからね」

と微笑んだ。




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