完璧幼馴染の仮面が崩れるとき
パソコンを見ながらも心ここに在らずという感じでなかなか仕事が捗らない。
何度か頭の中でシュミレーションをするけど、
一番いい言葉が思い浮かばない。
どんな言葉で伝えたらこの思いが1番伝わるだろ…なんて考えてると、
「久遠、ちょっといいか?」
と部長から声をかけられた。
部長が俺になんの話だろう。
なんて思いながら部長室に入る。
「失礼します」
「おう、久遠いきなりごめんな。
悪い話じゃないから、気楽に聞いてくれ。
単刀直入に言うと、お前か三浦を主任に昇進させようという話になってる。
上の意見では、業績のいいお前を推してるんだが、1つ引っかかるポイントが未婚者ということらしい。
そんな風潮、もうやめた方がいいんだけど、やっぱりまだそこら辺を気にする人が多いらしくてね…
お前、結構プライベートなこと聞くけど、付き合ってる人はいるのか?」
…マジか。
昇進って俺まだ早くねぇか…?
そんなに認められる業績でもねぇし。
と思いながらもさっきの質問に答えなければいけない。
「付き合ってる人ですか…。
それは居ないんですが、結婚したいと思っている人は居ます。」
俺は包み隠さず正直に答えた。