完璧幼馴染の仮面が崩れるとき
そして約束の土曜日。
約束の時間に約束の店に行くと、いかにも育ちのいいお嬢さんがちょこんと座っていた。
「初めまして。
宇都宮 百合花(うつのみや ゆりか)と言います
私、実は前に父の会社で久遠さんをお見かけして…
それ以来、あなたとお話がしてみたかったんです。」
恥ずかしそうに顔を少し赤らめて上品な声で話す彼女。
顔も綺麗で可愛らしいし、これに落ちる男も多いだろうな。
なんて冷静な判断ができるぐらい、俺は落ち着いている。
今日は取引先の接待だと思って食事をしよう。
そう心に決めていた俺は仕事モードでこの食事会にのぞむことにした。
「初めまして。久遠 耀と申します。
お会いできて光栄です。」