完璧幼馴染の仮面が崩れるとき



「いやいや!

宇都宮さんなら、僕なんかよりも絶対にもっといい方がいらっしゃいますよ」


と言ってもあまり納得されない様子…

これはまずい。非常に断りずらい雰囲気だ。



「私はそうは思いませんが…。

もしかして、私、今あっさり振られちゃいましたか?」


なんてまた核心的な質問をしてくる彼女。
さすが、お嬢様だ。
言いたいことはハッキリ言うタイプか…。



まぁ、俺としては宇都宮さんが言う通り、さっきの発言でちょっと距離をとろうと思ったわけだけど…

どうも作戦は失敗したようだな。


振られちゃいましたか?って…

もう本当にそうだとしても、立場が下の俺が
『はい、そういうことです』だなんて言えるわけない。



「いえ、全然そんなつもりではありません」


なくなく俺がそう答えると、「よかった!!」
とまたご機嫌そうな顔をして笑った



そこから、別に振ったわけじゃないという設定にしたせいで、連絡先を交換させられ、次の食事の日にちまで決めるハメになった。




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