狂った彼に花束を
ここに来て約1週間が経った。

響夜が言った通り、誰も助けには来てくれない。

…でも、今日、私はこの屋敷から脱走する。
私には帰らなくちゃいけない理由があるから…。

今日は響夜が仕事の日。

「お昼には帰ってくるから…」
響夜は仕事に行く時はいつもさみしそうな顔をする。

「行ってらっしゃい」
私は作り笑いを浮かべ、見送った。

彼が部屋から出て行ったあとはクロが入れ違いに入ってくる。

いつもの朝。
…それも今日で終わり。
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