狂った彼に花束を
「俺も行く。」

もう一度君を見失うくらいなら何処までてもついて行く。

たとえ、響夜に反抗することになっても…
君は少し驚い顔をしたが何も言わずに俺の手を握って嬉しそうに微笑んだ。


「クロも来てくれるなら心強いねっ!」

『クロにいは優しくて強くて大きいくまさんみたいっ!』

舌っ足らずな君の幼い声が頭に反芻する。
…俺はこの手を離したくない。



……そう思ってた。
この時の俺たちは響夜を見くびっていたんだ。
きっと、響夜から逃げて、2人で暮らせると思ってたんだ。
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