狂った彼に花束を
「クロ、私、家に帰ってお母さんに会いたいの!」
クロは私に押され、そっと手を離した。

私は我が家へとかけていく………


視界にうつったのは取り壊されて半分なくなった私の家。
綺麗だった赤い瓦もクリーム色の壁もところどころ無くなっている。

「どういうこと…」

クロは倒れそうな私の体をそっと支えた。
「もう見るな……帰んぞ。」

帰る?何処に?
あの屋敷に…?

「…やだ。」

しかし、クロは私を捕まえたタクシーに無理矢理いれると、自分も乗り込み、ドアを閉めた。
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