狂った彼に花束を
クロは一瞬ビクッとなると、小さく呻き声をあげ、目を覚ました。

「俺の花音を奪うなんていい度胸だね。」

「…お前は花音を泣かせるだけだ。」
クロは状況を理解したのか、響夜を睨む。

「秘書のお前が裏切るとは思ってなかったよ。」
「…気づいてただろ。」
響夜はクロの言葉にキレたのか、もう一度スタンガンを首元に近づける。

「…やめてっ!!」
自分でも驚くほどの大きな声。

「花音?君が心配する理由はないよ。」
私は響夜の言葉を遮るように続けた。

「私が悪かったんです…」

「やめろっ!お前は悪くないっ!!」
クロは私の方を悔しそうな顔で見つめた。
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