狂った彼に花束を

最後まで自分勝手でごめんなさい…
でも…

「もうこの屋敷から出ないです…。」
みるみるうちに響夜の顔が明るくなった。
まるで無垢な子供。

「…なんで、泣きそうな顔なんだよ。」
クロは小声で呟き、顔を歪める。

…ごめんなさい…
私が何もしなければクロを巻き込むこともなかったのに…

「クロ…私は一緒にいられない。」
最大限の笑顔で、キミに別れを告げる。

キミの告白は答えられないみたい。


「自分勝手でごめんなさい、私のことは忘れて…響夜さん、クロのこと…」
響夜は笑顔を浮かべたまま、私の頬に手を添える。
さっきまで黒を傷つけたスタンガンを持っていた手。
私はもうこの手を拒めない…