【BL】田のつくふたり



「あれ、そう言えば田嶋の何だったの?」


「うっ」



このままいい雰囲気のままスルーできるかと思ったのに、こいつは変なところで鋭い。



「何だったの?」


「いや、別に...」


「言ってみて?」


「うっ...」


「ほらほら」



だんだんいつもの調子に戻ってきた土田が、いつも通りにやけながら煽ってくる。



「ちっ」



いつもと同じになったのだと安心しながらも、あのにやけ顔が腹立たしくてつい舌打ちをする。



「舌打ち!?」


「しょうがねえから言ってやるよ、バカ」


「やったー」





***




「え、田嶋、俺が愛想尽かしたと思ったの?」


「そうだよ!」



なんとか事情を伝えると、気の抜けた声で土田が言った。



「なんだよー、俺が田嶋に愛想尽かすわけないだろー?」


「そんなこと断言できねーだろ?」


「なんでそう思うの?」


「愛情表現とかでないし。」


「え、あるじゃん」


「は?」



けろりと言う土田。



「俺がベッドで手を広げたらめっちゃ照れながら来てくれるしさ

ほら...昨日の晩だって、キ、キス...してくれたし?」


「照れるなこっちが恥ずかしい!!」


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